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Ｓｍｉｌｅ白山のすぐご近所には、有名な白山比咩神社があります。
白山比咩神社には、ククリヒメという神様が祀られています。お姿が描かれた絵を見ると、どこかシュッとした感じの、きれいなお姉さんの神様です。特技は縁結びだそうです。
今日は、このククリヒメが何故縁結びの神様とされているかを調べてみました。

日本の国土を作ったイザナギとイザナミというご夫婦の神様はご存知でしょうか。そしてこのご夫婦が、大喧嘩の末に離婚されていることはご存知でしょうか。
神社の案内文を見ると、ククリヒメはこの離婚騒動の際にご夫婦の仲裁をしたので、縁結びの神様ともされているそうです。
でも、イザナギとイザナミは令和の現在も離婚状態のはずでは…？

ククリヒメのお話は、日本書紀の本編でなくスピンオフみたいな本の中に出てきます。ざっとこんな事が書いてあるようです。

イザナギとイザナミは、岩で隔てたこちらとあちらで大喧嘩した末に、離婚だ！ってなりました。
その後しばらくイザナギは岩のこちら側でイライラしていました。
「あんな女と一緒にいたいとか思ったのは、自分がダメなやつだったからだ。」
とか仰います。
その時、イザナミの使いの人がイザナミからの手紙を持って来ます。手紙には「復縁とか絶対ないから」って書いてありました。イザナギが、かなりおこになられたことは想像に難くありません。
ここで登場するのが、ククリヒメです。ククリヒメはイザナギに近付いて、
コショコショ
と、何かを言います。
するとイザナギは
「君、うまいこと言うね。」
とククリヒメを褒められました。そして、大人しく家に帰られたのでした。
めでたしめでたし。

本には、ククリヒメが『なにか言った』としか書いてありません。セリフの内容は謎です。
が、とりあえずククリヒメは、『離婚は成立したが感情的に納得できていなくて事務所に居座る夫を、一言で納得させ家に帰す』という、なんだかやり手の離婚カウンセラーみたいなことをされたようです。

これは縁結びというよりは、きれいに別れさせた、という方が近い気もしますが…。
しかし、広い意味で言えば、もめている二人の関係を丸くおさめる（復縁まではしなくても）、という意味で縁結びの中にギリギリ入るのかもしれません。

だいたい、この話のときイザナギはまだ天照大神をつくってなかったので、ククリヒメがうまいことイザナギを帰さなかったら、日本にはおひさまがないままになっていたかもしれません。ククリヒメ、グッジョブ。

縁結びというと、恋のキューピットのようなファンシーな存在を想像しますが、ククリヒメはそういう甘酸っぱいものではなく、シュッとした感じの／きれいなお姉さんの／離婚カウンセラー（やり手）的な存在なのかもしれません。
そう思うと、何だかククリヒメのことがすごく格好良く思えてきました。

そんな妄想を逞しくしつつ、気候や感染症が落ち着いたら、また白山比咩神社を参拝したいものです（バチが当たるのかもしれませんが）。